研修報告
2016年12月23日
埼玉森林インストラクター会研修会
バードウォッチング
報告・木口 明浩 ■日時:平成28年12月23日(金)午前9時-12時
■天候:晴れ
■場所:北本自然観察公園
■講師:茨城県自然博物館野鳥チームリーダー 伊藤 武彦 氏
■参加者:11名
今回のフィールドとなった北本自然観察公園は、谷津田の地形を活かした自然公園で、約33ha(東京ドーム7個分)の広さを誇っており1992年にオープンした。
野鳥を観察するには、「場所」「季節」「大きさ」の3つに着目するとおおよその見当がつくので、これが見分けるコツになる。
例えば、明るい林でみられるものは、シジュウカラ、ヤマガラ、エナガ、メジロ、コゲラ等で、人に馴染みのあるものが多い。
一方、林の中や木々の中ほどに棲むものは、アカゲラ、ルリビタキ等で、やや見つけにくいと思われる。
また、林の縁、野原、畑等の開けたところには、ヒヨドリ、ホオジロ、シメ、キジバト、モズ、ジョウビタキなどがよくみられる。
アオジは、スズメくらいの大きさで、やや暗い林縁を歩きながら草の種を探していた。灰緑色の頭で、一見したところ地味で保護色になっており、分かりにくい。しかし、よく見ると、お腹にかけてみられる黄色い縞々の柄が美しい。チュピ、チュピと鳴きながら小刻みに飛び回る姿が印象に残った。
アトリは、隔年で見られる年とそうでない年とを繰り返すとのことで、今年は当たり年らしい。そこで、期待を胸に探索を続けたところ、子供公園に隣接する湿地で一羽だけ確認できた。『花鶏』という漢字をあてるようにオレンジ色の体色が華やかだった。
残念なことに、この日、最大の目当てだったベニマシコ、ルリビタキは、見られなかった。前夜の大雨、あるいは、強風・季節外れの気温(推定気温15℃)などの影響があったのだろうか。
カシラダカは、群れを成して数は多いのだが、すぐにアシの茂みに潜んでしまい、双眼鏡でとらえるのが難しかった。このあたりは、もう少し根気と経験が必要かもしれない。
しかしながら、冬のこの時季には、山から里へ降りてくる鳥、水辺に集まる鳥、群れを成して暮らす鳥も多い。また、樹木は葉を落としているので、枝に留まっている鳥は発見しやすいことから観察し易くなる。
とかく寒いからといって家の中に引きこもりがちな冬のシーズン。散歩がてらに適度な運動を兼ねた野鳥観察は、年齢性別に関わらず楽しめるもので、健康のためにもお奨めしたい。野鳥を切り口に森林や自然環境について考えることもできるだろう。
なお、この日観察できた野鳥(23種+2種(鳴き声だけ確認)=全25種)を下表に記録したので参考にして欲しい。
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