埼玉森林インストラクター会Forest Instructor Saitama

研修報告

2016年7月15日
埼玉森林インストラクター会 平成28年度第2回現地研修会
郷土の林学者 本多静六を学ぶ - 公園改修の足跡と大宮公園の名木を訪ね
報告・渡辺 英城

■日時:平成28年7月15日(金) 9:00-12:00
■主 催:森林インストラクター埼玉会 共催 見沼地域ガイドクラブ
■講 師:二宮 靖男さん
■参加者:FIS会員含め約40名
■天 候:小雨のち曇り
■行 程:9:00 大宮公園駅前集合  挨拶後移動  大宮公園にて実地観察 10:30-12:00 高鼻コミュニティーセンターにて室内講義 ・・・(昼食)・・・  12:30-14:30 実地観察(自由参加) 氷川神社-大宮公園-大宮第2公園

今回の研修会は見沼地域ガイドクラブとの共催ということで、FIS会員を含み約40名の参加者が集まりました。 前半は大宮公園にて実地観察、後半は高鼻コミュニティーセンターにて室内講義が行われました。 実地では大宮公園内の動植物から史跡に至るまで多岐に亘り観察を行い、室内では埼玉県出身で日本公園の父とも称される本多静六博士の事績について学びました。 日比谷公園や明治神宮の設計は有名ですが、大宮公園も本多先生が設計をされています。 本多先生について学ぶということは、日本の公園の歴史について学ぶことと同じであるとわかります。 なおかつ本来は林学者でありますので、日本の森林経営や国立公園の創設にも大きな業績を残しておられます。

・チャンチン(センダン科、落葉高木、中国原産)
香椿と書きますが椿の仲間ではありません。全体に香りがあり、薬効(胃腸薬)もあるとのことです。針葉樹のように直立した幹が印象的でした。葉は羽状複葉。
・アカシデ(カバノキ科クマシデ属、落葉高木)の古木
全体的に樹皮が畝状に隆起し、骨が浮き出ているような奇観を呈している古木かつ奇木。
・ハンカチノキ(ミズキ科、落葉高木、中国原産)
白く目立つハンカチ状の苞が有名な木。今回観察した時点では、全体の葉が茶色になって枯れかかっていました。 1週間前には葉は青かったとのことです。貴重な木で大宮公園の名物でもあったため心配されます。
・ツブラジイ(ブナ科シイ属、常緑高木) ※午後の氷川神社境内にて
樹全体の薄暗い感じはスダジイと良く似ている。堅果(ドングリ)がスダジイより小さい(1cm前後)。樹皮もスダジイと比較すると裂け目がない。

午後は、希望者により氷川神社から第2公園まで足を伸ばしました。 名前しか紹介できませんが、<樹木他>オオバボダイジュ、水無月(ノリウツギの園芸品種)、 アナベル(アメリカノリノキの園芸品種)、ヒメユズリハ、ラッキョウヤダケ、セイヨウニンジンボク、ブラシノキ、フイリケヤキ、 <草本その他>白花トキワハゼ、アメリカスズメノヒエ、イヌホタルイ、コケオトギリ、ジャコウアゲハの幼虫などなど興味深く観察いたしました。 ほんの一部しか紹介できませんでしたが、もし行かれる機会がありましたら探してみて下さい。 小雨の降る中でしたが、とても有意義な研修会でした。

チャンチンの幹
チャンチンの葉
カカシデノ古木