埼玉森林インストラクター会Forest Instructor Saitama

研修報告

2013年5月12日
平成25年度埼玉森林インストラクター会研修会
山菜を食べる会
報告・高杉茂

埼玉森林インストラクター会では、5月12日(日)に山菜をたべる会を実施しました。場所は、我々のホームグラウンドである「森林インストラクターの森」でした。ここは、ときがわ町にあり、地主の好意により長期間に渡り貸して頂いている山です。ヒノキを植栽して我々自身の林業体験をしたり、近くの萩が丘小学校の生徒に花などのきれいな広葉樹の植樹の体験をしてもらう場として活用しているところで、山菜らしい植物はほとんど見当たりません。「山菜」らしいと言えば、モミジガサやヤブレガサが目につく程度で、どんな結果になるのか不安ではありましたが、月1回の定例作業を終えたあと欠かさず続けてきた植物の同定会の延長線上に企画されたものでもありました。どんな植物が食べられるのか森林インストラクターとして体験しておかなければならないと思い続けてきた中で実現の運びとなり、とても楽しみにしていました。この日は、火起こし体験の準備もされており、縄文時代の生活に触れる貴重な機会となりました。
当日は、会員11名の参加があり、9時にせせらぎホール駐車場に集合し、9時半に現地に移動しました。山菜図鑑があっちこっちで広げられているところを見ると、会員それぞれにかなり意気込んでいるようでした。30分ほど思い思いに山菜採りに熱中し、そこそこの収穫があったところで切り上げて、上流の広い河原に移動して第2ステージが始まりました。

ブルーシートに種類別に整理して並べ、まずは種名を確認しました。種類は、なんと26種類もありました。今回は、我々のフィールドに生えている植物を食べることが目的でしたので、こんなに多くの種類が食べられるとは想像していませんでした。カキドオシ、ドクダミ、モミジガサ、藤の花、コバギボウシ、ウバユリの球根など、どんな味がするのか楽しみと不安が入り混じった期待感で成り行きを見守りました。天ぷら向きのものとおひたし向きのもとに分けて、それぞれの担当が手際よく調理して、ひとつ出来上がる度に全員で試食するという手順で、花が咲いてしまったハルジョオンや一本しか採れなかったウワバミソウなどを除き20種類を試食しました。結果は、意外にもいけるものがたくさんありました。堅くなったサンショウの葉の素揚げは、ピリッとした風味が口の中に広がり、なるほどと納得できるものだったり、毒かと思っていたウバユリの球根は料理店で食べるユリ根よりも美味かったり、ミツバやギボウシのおひたしもなかなかおつなものでした。「これでビールが飲みたいね」の声が出るほどに。試食の後は全員で5段階の評価をしました。
とかく山菜採りには中毒がつきものですが、日頃から植物を分類できる目と毒草を見分ける知識を養わなければ命にかかわる危険にさらされることを肝に命じておかなければなりません。そのうえで、不明のものは絶対に口にしないこと、他の植物が混入しないように気をつけることなどを徹底すれば山菜を味わう楽しさを満喫できるものと思います。次回の企画が楽しみになりました。

収穫した山菜の数々。
天ぷらとおひたしに分けて調理。さてお味は?
■食べてみた山菜のリスト
(最高:★5 / 美味:★4 / ふつう:★3 / 劣る:★2 / お奨めしない:★1)
山菜種名
科名
部位
調理方法
感想
評価
ヨモギ
キク科
茎葉
天ぷら
ヨモギの香りが程良くさわやかな風味
★★★★★
モミジガサ(シドケ)
キク科
茎葉
おひたし
春菊のような苦味があり、大人の味
★★★★★
イタドリ
タデ科
茎葉
天ぷら
イタドリ特有の酸味が好印象
★★★★★
ヤブレガサ
キク科
茎葉
おひたし
春菊のような苦味があり、大人の味
★★★★★
ウバユリ
ユリ科
鱗茎
天ぷら
有毒植物と思い込んでいたが、百合根よりもとても美味い
★★★★★
コバギボウシ
ユリ科
おひたし
ぬめりが醤油に合い、しゃきしゃきした歯触りに好感あり
★★★★★
ミツバ
セリ科
おひたし
申し分のない美味さ.、だから栽培してるんだとの声
★★★★★
ワサビ
アブラナ科
生食
細かくたたいて湯をかけ、醤油をさして密封した。辛みが出てきてとても美味い
★★★★★
フジ
マメ科
天ぷら
わずかに花の甘い香りがあり、しゃきしゃき感がたまらない
★★★★
ドクダミ
ドクダミ科
茎葉
天ぷら
ドクダミの香りが少し残るが気になるほどではなく、後で酸味が残る
★★★★
サイショウ
ミカン科
素揚げ
サンショウ特有のピリットしたスパイシーさに納得できる味わい
★★★★
シロヨメナ
キク科
茎葉
おひたし
キク科特有の山菜らしい苦味が程良い
★★★★
カキドオシ
シソ科
茎葉
天ぷら
特にカキドオシらしい風味はない
★★★
アザミ
キク科
茎葉
天ぷら
アザミ特有の味は感じられず、刺が気になる
★★★
クサギ
クマツヅラ科
天ぷら
クサギ特有の風味はないが、あくもない
★★★
ユキノシタ
ユキノシタ科
天ぷら
特別な風味はないが癖もない
★★★
サラシナショウマ
キンポウゲ科
おひたし
苦味が多少あるが特別な風味はない
★★★
イワガラミ
アジサイ科
生食
味はキュウリそのもの、夏は冷汁に入れて食べる地方もあるようです
★★★
マタタビ
マタタビ科
茎葉
天ぷら
個性もなく癖もない
★★★
マタタビ
マタタビ科
茎葉
天ぷら
個性もなく癖もない
★★★
キンミズヒキ
バラ科
茎葉
おひたし
葉が展開してしまったためか、舌触りがざらつき不評
★★
ホオノキ
モクレン科
(不向き)
ハルジョオン
キク科
茎葉
(不向き)
ゼンマイ
シダ科
茎葉
(前処理が必要なので今回は調理せず)
アケビ
アケビ科
新芽
(食材不足)
タラノキ
ウコギ科
新芽
(食材不足)
ウワバミソウ(ミズナ)
イラクサ科
茎葉
(食材不足)
クサコアカソ
イラクサ科
茎葉
(不向き)