埼玉森林インストラクター会
2004年9月16日

埼玉県民の森観察会


初秋の森林ときのこ観察会04

報告・大沢太郎

 埼玉森林インストラクター会では、埼玉県横瀬町にある「埼玉県県民の森」をフィールドに、年間6〜7回の自然観察会を実施しています。平成16年9月18日(土)、「初秋の森とキノコ」をテーマに、今年度5回目の観察会を開催しました。今回は、埼玉インストラクター会の秋山、木口、そして筆者の3人で講師をつとめました。


サクラシメジとウラベニホテイシメジを説明。

 毎年この会は人気が高く、今年も31人の参加がありました。しかし、1〜2週間雨が降ってなかったため、きのこが出ているか不安を抱えたままのスタートとなりました。まずきのこの大まかな分類や、きのこの見分け方のポイント、きのこを採るときの注意点などを解説しました。さらに、もしきのこが無かったときのためにと、埼玉インストラクター会の会長が採取してきたサクラシメジとウラベニホテイシメジを、食用キノコの例として解説しました。

 さらに、きのこの胞子を理解してもらうため、ドクツルタケの傘を黒い紙の上に置いて、胞子紋を取る実験を試みました。観察会の後、立派な胞子紋に参加者のみなさんも感心していました(筆者も感心しました)。


ドクツルタケの胞子紋。

 準備体操ののち、いざ出発しました。管理棟の裏を登り、野外活動センターへ続く尾根道を目指しました。尾根道の両側には、ミズナラを中心とする冷温帯の落葉広葉樹林が広がっており、きのこの種類も豊富なポイントです。

 「あったー」、「うわーこれ何ですか?」、いろいろなところから声があがり始めました。その場で同定できないきのこも多く、慎重に採取し、会の最後の同定に備えました。

 きのこが豊富なポイントで、地元の方々がよく山に入っているため、残っているのは雑きのこか毒きのこが多かったようです。中でも、食用のウラベニホテイシメジとよく似ているクサウラベニタケとドクツルタケを多く見ることができました。それでもウラベニホテイシメジやカワムラフウセンタケ、チチタケなどの食用きのこも採取することができました。ひとしきり歩き回った後、尾根を下り、芝生の広場で昼食を取りました。

 昼食の後、きのこと森の関係、特に森の分解者としてのきのこの重要性について解説しました。単なるきのこの観察で終わらせずに、森の中でのきのこの役割を理解してもらうことで、参加者のみなさんの興味が広がることを期待しています。

 食後はあるきのこにターゲットをしぼって、そのきのこがよく発生するポイントを目指しました。すると・・・「あーっ、あったー」と、歓声があがりました。そのきのことは、タマゴタケです。真っ赤な傘と黄色で紋が入った柄が特徴の食用きのこです。毒きのこのベニテングタケと似てはいますが、傘に白い粒々がない、柄が黄色いことなどで見分けがつきます。バター炒めにするととてもおいしいきのこです。

 その後、スギ林の中を登って管理棟へ向かいましたが、あまりきのこは見られませんでした。登り道がきつくなってきた頃、無事、管理棟へ到着しました。

採取したきのこを同定中。

 一息入れた後、採取したきのこをテーブルの上に並べ、きのこの同定を行いました。参加者の中にきのこアドバイザーの方や、地元芦ヶ久保在住できのこに詳しい方もいて、採取したきのこを食用きのこ、毒きのこ、雑きのこと並び替え、それぞれの特徴をみんなで話し合いました。名前もわからないきのこも含めて、ざっと20種類以上のきのこを採取することができました。




参加者の皆さんで記念撮影。

 中でも食用きのこのタマゴタケ、ウラベニホテイシメジ、コウタケ、カノシタあたりが主な収穫でした。雨が少なくきのこが出ているか不安でしたが、30人以上で一斉に捜索した結果、多くのきのこを観察することができました。後で考えるに、雨が少なく、地元の方々があまり山には入らず、その間にほそぼそとではあるけど、きのこが姿を現したのではないかな、と思いました。今回の観察会は筆者自身も非常に勉強になった観察会でした。

 最後に、今回観察されたきのこの一部を紹介します。



コガネヤマドリタケ
コウタケ

ホコリタケ

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