埼玉森林インストラクター会


植物標本の作り方



text by 大沢 太郎


 「森林インストラクターの森」の活動の一環として、森に生育している樹木標本の作成に取り組んでいます。森では毎年2回下刈りを実施していますが、その活動にあわせて樹木標本を作成しています。1回目の下刈り時に標本を採取し、乾燥させて下準備を行います。そして2回目の下刈り時に台紙に貼り、標本を仕上げます。
 平成15年度から開始し、平成17年度まで3年間実施しています。その結果、計31種(同一種の重複を含めると計39枚)の樹木標本を作成しました。活動に参加しているインストラクターの腕前も上達してきています。 2005年時点の植物標本一覧

 ここで、植物標本の作成の意義、作成に必要な道具、作成方法について以下に解説します。

1.植物標本の意義
 植物分類学において、種の比較を詳細に行う際に、近縁の種類の標本を同時に、また、花のない季節に花を、果実のない季節に果実を見ることができる植物標本は、なくてはならないものです。
 また、一般的には、ある地域の植物の記録を後生に残すという意味でも、とても貴重な資料となります。

2.必要な道具
 ア.植物の採集:はさみ、荷札、ビニール袋(胴乱)、新聞紙、野冊
 イ.標本の作成:ケント紙、ビニール袋、ラベル、紙テープ、のり、防虫剤


植物標本作成実習。(2004.8.21撮影)

3.作成方法
 ア.植物の採集
 (1) 植物の枝葉を新聞紙4つ折り(A3サイズ)大に切り取り、荷札に種名、採集年月日、採集場所を記入し、ビニール袋に入れる。(その際、葉だけではなく花や果実、草であれば根も一緒に採集するのが第1のポイントです)
 (2) (1)の植物を新聞紙に挟み、重ねて野冊に挟み押しつぶし、乾燥させる。(その際、葉の裏が一部見えるように枝を折り曲げるのが第2のポイントです)
 (3) (2)の新聞紙はできれば、2〜3日置きに交換し、その際、葉の折れ曲がりなどを修正する。期間は季節にもよるが、およそ2〜3週間で乾燥する。(新聞紙を交換するたびに、植物をよく観察して、植物と友達になるのが第3のポイントです)


標本の数も増えました。
(2005.8.20撮影)

イ.標本の作成
 (4) 乾燥した植物をケント紙の上に置き、紙テープで固定する。
 (5) ラベルに必要事項を記入し、ケント紙に貼る。
 (6) 防虫剤を入れ、ビニール袋で密閉する。(特に花、果実がある標本は防虫剤を忘れないことが第4のポイントです)

 以上の解説を参考に、ぜひ植物標本の作成に挑戦してみてください。はじめはとまどうかもしれませんが、実践してみると楽しくなってやみつきになってしまうかもしれませんよ。さらに詳しい情報を知りたい方は、「植物の観察と標本の作り方」(ニュー・サイエンス社)を参考にしてください。



上手にできました。(2005.8.20撮影)

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